保育士の給料は高いのか、低いのか。公私別・都道府県別の給料調査|資格のキャリカレ

くまと本

保育士は、子どもの笑顔に接することができる、子どもの成長をダイレクトに感じられるなど、とてもやりがいのある仕事です。しかし、実際に仕事に就くとなると、具体的な仕事の内容について知らないこともあります。保育士の待遇が良くないなどとテレビや新聞で報道されることもありますが、実際のところ保育士の給料は高くないのでしょうか。そこで、私立・公立別、年齢別、都道府県別など、さまざまな角度から保育士の給与実態を紹介します。

保育士とは?

お絵かき

保育士とは、乳児から小学校就学前(0~6歳)の子どもを保育施設で預かり、保護者に代わって保育を行う人のことです。保育士は子どもにとって非常に重要な時期の保育をする重要な仕事のため、国家資格を取る必要があります。たとえば、0~6歳の子どもは体調面で不安定なことも多いので、保育士は、子どもが起こしやすい体調変化、かかりやすい病気などについての知識が必要です。
また、保育のプロとして、親や保護者に育児の悩みや子どもの発達についてのアドバイスをする役割も担っています。子どもと接する時間でみても、一般的な保育園においては7時から17時または20時が開園時間です。つまり、親や保護者と過ごす時間より長い時間を一緒に過ごすケースも決して少なくありません。こうしたことから、確かな知識と技能が試される保育士試験に合格する必要があるのです。

保育士のお仕事内容は?

赤ちゃん

仕事に見合った給料がもらえるのかどうかは、働く人なら誰でも気になるところです。そこで、まず保育士の仕事内容と労働時間について紹介します。保育士といっても働く場所や仕事の内容はさまざまですが、共通している主な仕事は以下の通りです。
1つ目は身の回りの世話です。年齢や月齢によって違いはありますが、保育士が保育をする子どもには一人でできないことも多くあります。食事、排せつ、着替えなど、子どもが必要としていることを手助けします。これらを通じて、生活習慣を身に付けさせるのが2つ目の仕事です。さらに、年齢が大きくなるにつれて、集団生活のルールを守ることを覚えさせたり、仲間との接し方や遊び方などを教えたりもします。年齢に合わせた成長をサポートするのが3つ目の仕事です。
子どもだけでなく親に対しての仕事もあります。子どもの体調や行動について保護者に連絡したり、保護者の育児の悩みなどの相談に乗ったりするのが4つめの仕事です。
保育士の労働時間は、施設によってさまざまなので、一概にはいえません。保育園では開園時間が7時ごろから20時ごろが多いですが、私立の一部の保育園によっては24時間営業をしているところもあります。また、3歳からの教育施設である幼稚園では、9時ごろから14時ごろが一般的です。
公立の場合、これらの施設で働く保育士は定時の8時間労働であることが多く、残業はほとんどないといわれています。一方、私立の場合、8時間労働が基本ですが、残業が発生するケースが多いようです。特に、運動会や遠足といったイベントが近くなると、これらの準備が通常の仕事に加わるため、長時間残業したり自宅に仕事を持ち帰ったりする保育士も多くいます。
保育施設によって異なりますが、ある保育園におけるイベントのスケジュールを挙げると以下のとおりです。4月には入園式があり、同じ月に新入園児歓迎会が行われます。5月に入ると春の遠足、6月には保育参観やプール開き、7月は七夕の会、8月に夏祭り、お泊り会などが行われます。後は省略しますが、このように毎月のように行事があります。そのため、行事に関する仕事の割合がかなり多いのが保育士の仕事といえるのです。

保育士の給与実態

保育士の平均年収 ~公立・私立別~

貯金箱

平成28年賃金構造基本統計調査によると、私立の保育園と児童福祉施設で働く保育士の平均年収は324万7000円です。平均月額給与でみると22万1900円、ボーナスの平均額は58万4200円となっています。一方、公立の保育園で働く保育士の平均年収は、私立の保育士の平均年収と比較して1.5~2倍近くであるといわれています。東京都練馬区が発表した「平成26年度練馬区人事行政の運営等の公表」によると、平均年収は537万8278円ですから、この場合は約1.6倍といえます。平均月額給与にすると33万1601円であり、民間企業のボーナスにあたる年間平均期末・勤勉手当は139万9066円でした。
このような差が生まれる原因となっているのは、公立の保育園に比べて、私立の保育園や児童福祉施設の離職率が高いからです。どのような分野の仕事においても、一般的に、勤続年数が長くなるほど給料が上がっていきます。また、役職が付けば、役職手当が支給されるのが普通です。私立においては離職率が高く、給料がまだ上がっていない人、役職がない人が多いため、このような年収の差となって表れていると分析されています。公立の場合、普段の仕事も定時で帰れることが多く、仕事量が安定しているといわれています。また、産休や育児休暇が取りやすいため、長く働きやすい環境もあるようです。一方、私立の場合、残業が多く、人手不足などから休みにくいこともあるようです。
また、公立の保育士は公務員扱いなのも差が生まれる原因です。公務員は一般企業と比較すると昇給率が高いため、離職者が少なく勤続年数の多い公立の保育士の平均年収は高くなりやすい傾向にあります。こうしたこともあり、公立の保育園で働きたいと希望する人は非常に多くいます。そのため、公務員保育士の試験の倍率は20倍を超えるのが普通です。給与面だけ考えれば、公立の保育士を目指すのがよいといえるでしょう。また、安定して長く働きたいという人にも向いています。

保育士の平均年収 ~年齢(役職)別~

スキルアップ

厚生労働省の調査では、保育士の9割を占める女性保育士のデータが公表されています。これによると、20~24歳の平均年収は286万2000円です。25~29歳となると平均年収は323万3000円30~34歳では338万円と増加しています。このあたりから平均年収の伸び率は小さくなり、35~40歳は341万3000円です。50~54歳では388万4000円60~64歳は最も高い427万9000円となっています。
勤続年数を重ねていくと仕事の功績が認められるなどして、主任や園長などの役職に付くことがあります。この場合、役職手当が支給されるのが一般的です。厚生省では、認可保育園における役職手当の調査結果が報告されています。許可保育園とは児童福祉法に基づいて設置された児童福祉施設のことです。認可保育園での役職手当を含めた主任の平均月額給与は39.7万円であり、平均年収が476万4000円となっています。また、園長の平均月額給与は52万8000円、平均年収は633万6000円です。
役職が付いた場合においても、公立の施設で働く保育士のほうが、私立で働く保育士に比べて給与が高いことがわかっています。主任においては、私立における平均年収が476万4000円であるのに対し、公立は622万8000円です。また、園長の場合、私立が634万8000円であるのに対し、公立は712万8000円です。
このように比較してみると、やはり、公立のほうが条件がよいと考えられるかもしれません。しかし、一般的に、私立のほうが公立に比べて役職が付きやすいという面もあります。公立の保育園は年功序列のシステムで運営されていることが多く、仕事で成果をあげても役職が付きにくい面もあるようです。そのため、生涯収入に換算すると、私立と公立を単純に比較できないといえます。

保育士の平均年収 ~都道府県別~

じゃんけん

平均年収でみてみると、地域によって差があります。都道府県別で平均年収で最も多いのは愛知県であり、383万3000円です。一方、最も平均年収が低かったのが鳥取県で201万5000円です。その差は181万8000円となるので、かなりの開きがあると感じる人もいるでしょう。また、東京都が352万9000円、大阪府が343万5000円、京都が347万7000円と大都市の平均年収が高い傾向にあります。
この差を生む最も大きな原因はやはり離職率だといわれています。ただ、鳥取県の労働環境が他の都道府県に比べて特別悪いともいえません。また、逆に愛知県が特に労働環境が良いということもないようです。ただし、都市部と地方における保育士の労働環境には次のような特徴があるといわれています。
地方の保育施設のメリットは、家庭的な職場が多い地域に根付いているなどです。また、敷地が広くゆったりと働ける、ベテランの保育士がいることが多いなどもメリットといえます。一方、人間関係が深すぎて息苦しく感じることがあるほかの保育施設が少ないので転職しにくいなどのデメリットがあります。
都市部におけるメリットとデメリットはこの逆です。人間関係がそれほど密でなく、仕事として割り切ってできる面や求人が多く転職しやすいメリットがある一方、頼れる先輩がおらず孤独を感じやすいというデメリットを感じる人が多いようです。
都市部には、もうひとつメリットがあります。それは社宅として住居が提供されたり、転職の際に必要な引っ越し費用を負担してもらえたりするなど優遇処置が多いことです。都市部では保育士の需要がとても高いため、このような好条件を提示することで、保育士を獲得しようとしている保育施設が増えているのです。そのため、地方から都市部への保育士の転職、移動が増加傾向にあります。また、地方自治体のなかには、保育士が定着して働いてもらえるように補助金を出しているところもあります。たとえば、千葉県成田市の働いた勤務年数に応じて6段階の補助額が受け取れる「なりた手当」がその一例です。働く場所を決めるときには、このような情報もチェックしておきましょう。

保育士の給料が割安な理由と今後の展開

保育士

全体としてみると、保育士の給与は割安です。職業別でみると平均年収が350万円以下は、かなり収入の少ないグループに分類されるからです。このような状況になった理由としては、日本の文化が関係しているといわれています。戦前の日本においては、子どもを親類や近所の家に預けるのは普通のことでした。そのため、保育士の仕事もその延長上で見られる傾向があったのです。こうした考え方は、国家資格の制度ができ、保育士の重要性が増している現在においても、まだ残っているといわれています。
もうひとつの原因は地方財政が苦しいことです。保育園の多くは保護者の保育料とともに、国や自治体の補助金を頼りにして運営されています。しかし、地方財政が苦しい地域も多く、補助金はあまり多く出せません。そうしたことがあり、人件費に回すお金がなく、保育士の給料が上がらないといわれています。また、2000年に実施された規制緩和により、営利目的の保育園が増えたことも要因です。このような保育園は利用する側にとっては歓迎すべきところがあるものの、保育士の給与水準が上がらない弊害も生まれたと分析されています。
しかし、現在の日本において、保育士はとても重要な存在となっています。厚生労働省では、待機児童問題を解決するために、民間保育所で働く保育士の給与を平均して3%改善する施策を実施しました。また、2016年で行われた「1億総活躍国民会議」では保育士の月給を2%増に相当する6000円引き上げることを決定しました。「副主任保育士」や「専門リーダー」などのポジションを作り、昇給しやすい仕組みを支援する試みも進められています。このように、各地で保育士の待遇改善が進みつつあります。需要がさらに高まっていく現状が続けば、処遇改善が加速することも期待できるでしょう。

保育士資格を取得した先輩たちの体験談

保育士の給料は他のお仕事と比べると割安です。しかし、子どもたちを見守り、成長をサポートするやりがいのあるお仕事であり、貴重な存在として求められているのも確か。給与の引き上げなども行われている今、保育士として働きたいという気持ちがある方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ここでは、保育士資格を取得した先輩たちの声をご紹介します。

片渕 慶子さん
兵庫県在住
資格を取得したからといってすぐに人生が劇的に良くなることはありませんが、自分の違った一面が発見できると思います。努力した分だけチャンスも広がると思います!
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A.T さん
30代/広島県在住
留学先でベビーシッターの仕事をしたり、子どもへの英語指導、また実際に今子育てをしている中でも、勉強したことがとても生かせています。将来的に子供が大きくなったら、インターナショナルスクールなどで英語を使いながら保育士として働きたいと思っています。
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渡邉 美智子さん
37歳/神奈川県在住
短時間ですが幼児教室で働けることになりました。今回学習した中で「大切にしたいな」と思ったことや感じたことを忘れず、子どもと接していきたいと思います。
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匿名
専業主婦/京都府在住
頑張って取得した保育士資格を活かし、もう少し子育てが落ち着いたら、保育園等で働けるように就職活動を始めようと思っています。
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※体験レポートは受講生様からお寄せいただいた感想をまとめたもので、プロフィールはその当時のものです。

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